一期一会、[森彦]で出会った紳士。

イラストを仕上げる為、[森彦]へ。

「お二階の壁側のお席と、見えてる(階段側の)お席が空いております」
と店員さんに告げられて、階段を上がる。
壁側に座ろうと思い、仕切りから覗き込むと、先客あり。
男性がひとり、ふと、目が合う。
「おじさん」と言うよりも「おじさま」、身形の良い、紳士的な男性。

慌てて目をそらし、階段側の席にしようか、それとも下に降りようか…と迷っていた時、
「席、変わりましょうか？」と、紳士。
心地の良い、Alto。
「いえ、大丈夫です。ありがとうございます。
先程店員の方に『壁側の席が空いている』と聞いたので、覗き込んでしまったのです」と、私。

下に降りたとて、席があるか、確認していない…。
観念して、テーブルが小さめの、階段側の席に座る。

片方の椅子がカタカタしていたので、もう片方の椅子に座り、心地良さを比較。
それから、まあるいテーブルの上に、スケッチブック、パステル、色鉛筆、水性ペンを広げる。
平らな面が欲しいので、楽譜が入ったクリアファイルも…。

その様子を見て、先程の紳士が再度声をかけて下さいました。
「そんなに物を広げるなら、やはり此方の方が良いでしょう。私、ひとりですし。変わりましょう」
でも私は、いつもカフェに来て、思うのです。
「カフェは、自分の時間を楽しむ場所です。
ですから、どうか貴方様も、自分で選んだそのお席で、自分の時間を楽しんで下さい」

何故だか不思議と、淀み無く、初めてお会いするの人の目を見て、きちんと伝える事が出来ました。
実は、結構人見知りなので、自分でも吃驚。

紳士は二コリと笑い、了解して下さった様子。
腰を上げかけた席に、またゆったりと座り、期間限定のガトーショコラを一口。
私もほっとして、ほんの少し、かたかた揺れる席に座り、早速作業開始。

柱時計の刻を告げる音で、ふと目を上げると、先程の紳士はいませんでした。
気に掛けて下さっていた様子なので、最後にお礼を伝えたかったなぁ…。
一期一会、か。
温かいお言葉、ありがとうございました。

タグ：カフェ　森彦　珈琲

コメント 4

紳士にホワ〜ってしてしまう性分なので
すごくいいお話だなぁと思いながら日記読ませていただきました
yama_meたんの言葉も　とっても素敵だなぁと思いました

「そでふりあうもたしょうのえん」..って言葉もありますし
またいつか　その紳士に出会えるとよいですね♪
by チュウ。 (2009-12-23 01:37) 

素直にことばがでると　なんか嬉しいですね。
ただし　善意の上という条件付ですけれど。(^^♪
by ケイ (2009-12-23 09:39) 

> チュウ。様
とても人当たりの良い方だったから、上手く伝える事が出来たんだと思う。
ナチュラル過ぎて、自分でも本当にびっくらこいた(笑)。

今度は私が、この紳士さんみたいに気をつかえる人になりたいな。
by yama_me (2009-12-23 15:55) 

> ケイ様
きっと、あまりにも私が、ウロウロワタワタしてたので、
気を使って、声をかけて下さったんだと思います(^_^;)

そのお気遣いだけでも、本当に有難いですよね。

by yama_me (2009-12-23 15:58)