新しく生まれた楽器が、その音を奏でるべき人に手渡された時間に居合わせた事。

以前参加した【ウクレレナイト】でご一緒させて頂いた方の中に、
ウクレレ奏者でウクレレビルダーの本間氏という方がいる。
早弾きが得意で、お話する時は私なんぞにも腰を低くされる、とても謙虚な方。
初めてお会いした時も、不躾な私の質問に、丁寧にお答えを下さった。
その会話の中で、氏がウクレレビルダーである事を知り、そのウクレレを見せて頂いた。

こういう言い方は失礼なのだけど、多分一番解り易い言葉で言うなら、
「売っている物と遜色ない」。
（「手作りのもの」と聞くと、市販されているものとは異なり、
温かさが"売り"の粗がちょっとあるもの、と思われてしまう事がある。
本当はそんな事ないのだけどね。）
でも本当は、市販されているものよりも、数倍もすてきだった!!

そのウクレレは、温かくて、美しい。
ひとつひとつが丁寧に組まれ、その素材の美しさと、「音」を奏でる楽器としての美しさが調和している。
モノを見る温かい目と、音楽を楽しみ喜ぶ心が、素敵なウクレレを生み出すのだろうか。

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次回ライブの打合せの為、【ハイビーンズカフェ】でちゃむ氏　コウタ氏と待合わせ、合流。
お店には、その本間氏もいらっしゃった。

暫くの会話の後、本間氏が、黒い袋を徐に取り出し、
「ちゃむさん…これ、持ってみて…どう、持ちやすい？」
と、ちゃむ氏に手渡す。
その袋の中より出てきたのは、１本のきれいなウクレレ。
「これ、ちゃむさんに、あげるよ」と、さらりと言う本間氏。

ちゃむ氏は以前より、「こんなウクレレが欲しいなぁ～」と色々とお話されていたみたいで、
それが思いもかけず、今日、叶ってしまった。
あまりの急展開に、ちゃむ氏、嬉しながらも困惑。
「わぁ～申し訳ない…」「ありがとうございます」と、何度も頭を垂れ、
生まれたばかりのそのウクレレを、愛しむ様に弾き鳴らす。
（そういえば、ウクレレって、丁度赤ん坊を抱える感じに似ているかも）

本間氏はちゃむ氏より訊いていた事柄の他にも、
「ちゃむさんなら演奏する時、こうだから…」と
あれこれ思っては、彼にあった素材を選び、工夫されて作られていた。
残念ながら、私はウクレレ弾きでは無いし、最近ちょこっと演奏し始めたド素人なので、
詳しい造りまでは、よく理解出来ていない。
でも、その心を込めて造られた楽器は、真に美しくて、
作家と奏者の心を音に乗せて、じんわりと伝えてくれる。
聞いている私がふんわりと包み込まれて、温かな気持ちになれる。

これからこのウクレレは、ちゃむ氏によって、どんな歌を歌うんだろう。
どれだけの人が、その音を聴いて、どんな事を思い、感じるのだろう。
そう考えるだけで、わくわくしてしまう。

ふたりの思いやりの気持ちが、とても嬉しい。
そんな時間に居合わせた事が、本当に有難い。
ありがとうございました。

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