言葉の刃

比叡山延暦寺の大阿闍梨[酒井雄哉]氏（2013年没）がお寺に入る前のお話。
新婚当初、奥さんと喧嘩して「お前など死んでしまえ」と言い残して外出。帰宅した時には奥さんが自殺していた、と。

-----
以前、私に何度も「死ねばいいのに」と言ってきた女性がいた。
私が彼女の思い通りにならないと、「使えねー」「わけわかんない」、そして「死ねばいいのに」と。

私はこうして生きているが、もしその時に彼女の言葉通りに私が死んでいたら、どうなっていただろう。
彼女は良心が痛んで後悔するか。
それとも、人の命など気にせずに残酷にも笑って過ごすか。
多分、後者かな。死ななくて良かった(笑)。

何方にしても、耐えて生き残った私の心には深い傷が残っており、こうして時々思い出しては涙を流したりすることがある。
こうして生きているけれど、私の心は何度も言葉の刃で刺されたので、残念ながら私は忘れられないだろう。

様々な方々に彼女との事を打ち明けたお陰で少し生き易くなった。
けれど、彼女を見る度に思い出す。眩暈と吐き気をもよおす。哀しいけれど。